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2010年5月13日 (木)

東大全学自由ゼミ:第三講<戦記文学と「逆コース」>について(5月17日)

 5月10日第二講では、<問題提起としての「戦後民主主義」>というテーマthemeで論考しました。


 第二講では、戦後の「歴史空間」における「慰霊」という磁場のありようについて前講から引き続いて論考するとともに、それに加えて「文学の可能性」という視座を根底に据えながら、「戦後文学」の位置を問いかけてみました。
 その際、
島尾敏雄の『出発は遂に訪れず』を課題として受講生諸君に精読していただき、「私小説」の構造的な意味などを検証しつつ、「戦後文学」のありようと、その後の「戦後民主主義」という「時代空間」との齟齬についてまで論及し、問題のありかを探っていきました。
 

 そこで第三講では、大岡昇平の『俘虜記』をtextにしながら、「戦記文学」について考えてみたいと思います。歴史の授業などでは、戦記物といえば『太平記』などを思い浮かべる受講生もいるかと思いますが、大岡昇平の小説作法は、それらといかなる異相にあるのか。また今回は、古処誠二という若い小説家の描く戦記小説もtextとして配布し、相互の異相についても論考を加えてみたいと思っています。

 受講生の積極的な発言を、次講ではお願いしたく思っています。なお、課題のレポートもよろしくお願いします。
 内容的にはタフtoughな講座となっているかと思いますが、少しずつですが、「文学の可能性」というものが姿を現しつつあるように感じている受講生もいることだと思います。
 そんな様子が、レポートにも現れています。今回は、少し分量が多くたいへんでしょうが、欧米の大学生と比べれば、分量的にはけっして多いものではありません。よろしくお願いします。

 充実感のある講座になるように、皆さんとともにさまざま考えていきましょう。 

5月 13, 2010 0. 緊急のお知らせ, 2010年夏学期東大全学自由ゼミ(月5) |