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2008年5月31日 (土)

6月2日第七講について

 自主ゼミも過半を過ぎ、特攻の「現実」について前講から論考しています。前講は、レイテ海戦における関行男大尉の特攻出撃に至る問題性を、軍神や捕虜などの問題性と絡めて考えてみました。次講では、その後の特攻作戦のありようについて、沖縄戦で大量投入された特攻の現実を考えてみたいと思っています。

 人間を弾丸にかえて死を強制する作戦は、そのものが「悪」以外の何ものではありません。しかし、どうしてそれが「罪責」として捉えられなかったのか。そこに「この国」の国家、民族、民衆、しくみ、精神などさまざまな問題性がひそんでいるわけで、したがって現象面のみを捉えて論ずるのではないところに、現代に通底する問題の因子が存在すると言うことができると思います。本講座は、ただ単純に特攻の悲劇を伝えようというものではありません。受講生のみなさんには、この点はすでにじゅうぶんに認識されてきていると思いますが、今後もさらなる論考を重ね、いま自分たちの足下にわだかまっている問題性を追求していきたいと思います。

 

5月 31, 2008 0. 緊急のお知らせ, 2. 東大自主ゼミ講座 |

2008年5月24日 (土)

5月26日の講義について

 前講では、「主情主義」が生む病いということで、日本における「死」をめぐる政治性、「美意識」と「抒情」のネジレ関係について論考しました。理解しにくいテーマだったかもしれませんが、「特攻」を「罪責」としてとらえ直し、その上で「テロリズム」との位相、「国民国家」としての日本近代における国家主義などの論考とともに、この自主ゼミのもっとも重要な論考のひとつだととらえていただき、レジュメなどを再度ご覧いただくと、今後の具体的な「特攻」作戦の変容がたどりやすくなるかと思います。

 次講第六講は、特攻という「現実」について(その1)と題し、レイテ海戦における関行男大尉の特攻作戦における「現実」について論考します。いったい「特攻」という概念はいつ頃生まれたか。「軍神」の存在や「捕虜」の概念、それと特攻隊生みの親と目されている大西滝治郎司令官が指揮したとされる重慶爆撃の問題も絡めて、なぜ若きパイロットは「特攻」に出ていったのか。そうした論考も行います。これまでの論考をふまえて「特攻」の意味についての総合的な講義になると存じます。よろしくお願いいたします。

 

5月 24, 2008 0. 緊急のお知らせ, 2. 東大自主ゼミ講座 |

2008年5月19日 (月)

次講5月19日の講義について

 次講5月19日の講義は、いつものようにおこなわれます。連絡が不十分ですみませんでした。次講は、「抒情性と国家、そして特攻」がテーマとなります。今回で第五講となり、前講から引き続いて講座の中では、もっとも重要な問題が論考される予定です。次次講5月26日からは3講義とも、具体的に「特攻」がおこなわれた状況についての講義となります。

 まずは、問題意識をもって講座にご参集いただければと存じます。明日は雨のようですが・・・。

 *ちなみに今週の『週間金曜日』の「こんなことやってます」のコーナーに自主 ゼミのことが掲載されていました。お読みいただければと存じます。

5月 19, 2008 0. 緊急のお知らせ, 2. 東大自主ゼミ講座 |

2008年5月 7日 (水)

次講5月12日の講義について

 連休中は、あまりぱっとしない天気でしたが、受講生のみなさんはいかがお過ごしでしたでしょうか。前講では「戦争とテロリズムの相関」というテーマで、おもにテロと特攻についての講義をいたしました。講義でもっともわたしが心を砕いたのは、テロと特攻の異同をふまえて展開される論理の矛盾についてでした。言い換えれば、相対的な視点にとらわれると、テロと特攻はここが違うから、テロが悪で特攻は正義であるとする論理、同じようなものだから無駄死なのだという安易な結論への連結、その結果、双方に内在する問題を深く掘り下げることなく、ただ問題の結論のみが言説となってしまう問題性をお考えいただきたいということでした。

 次講はそうしたことを含めて5月12日(月)「圧縮された近代国家の形成」というテーマで、そもそも特攻というきわめて理不尽な作戦が敢行された日本における「近代国家」のありようを考えてみたいと思っています。受講生のみなさんには、あらかじめ『近代の超克』における座談会のテクストをお渡ししていると存じます。なかなか読みづらく、いったい何を話し合っているんだろうという感想をお持ちの方も多いかと存じますが、1942年のこの時期にこうしたことが当時の日本の知的エリートと称される人物によって語られたことを、どのようにお感じなるか、その点の短いコメントを寄せていただければ幸いです。

 以前もお話ししたかと存じますが、毎週お願いしているコメントは、なにも論文やご意見などを開陳していただきたいというものではなく、あくまでも講義の準備として、受講生のみなさんの印象といったものを、相互に交換したいという趣旨のものです。今回も大量な文章をお寄せいただいた方がいらっしゃいますが、まとめその他に手が取られますので、できるだけ簡潔にお願いしたと存じます。よろしくご協力ください。

5月 7, 2008 0. 緊急のお知らせ, 2. 東大自主ゼミ講座 |