2007年度宏究学舎冬学季のお知らせ
毎日、不安を孕んだ灼熱の太陽が、青いはずの空を膿んだように焦がし続けています。落日は熱帯の乾燥した赤土を炎で燃やすように、今日も地平線に落ちていきました。まさにこれは異常気象としかいいようがない状況でしょう・・・。盛んに燃やされるかつては生物体にほかならなかった化石燃料が、地中からあるいは海中から掘り出され、人間の手で燃えさかり、巨大なエネルギーを出すとともに、地の底の怨霊が地上に激しく放出されたかのようにすら覚える2007年の9月です。
ところで僕は、9月の上旬までボスニア=ヘレツェゴビナやクロアチアをほっつき歩いてきました。サライェボの街には、戦争の傷跡がそこここに残り、蜂の巣のように弾丸が撃ち込まれた建物が夥しくあり、市内のあちらこちらには真新しい白い墓標が立ち並ぶ墓所がいくつもありました。人種、宗教、言語や習慣によってモザイクのように入り交じったサライェボの街に、僕は第二次大戦を経験した世代、さらにボスニア戦争の骨肉の悲劇を知っている世代、そしてそうした戦争の経験が希薄な戦後世代とによって識別される、もう一つのモザイク模様を感じざるをえませんでした。歴史と時間、空間と人種、そんなものがわけもなく渾然と静かにたゆたっている場の意味を、青い空とブドウがたわわに実る大地から感じとることができました。
そこで2007年冬学季の宏究学舎の開催をお知らせいたします。開催日は10月6日を初講日として、原則毎週土曜日の14時30分~17時まで、全体で10講義の予定です。すでに10月と11月の会場は押さえています。10月6日の初講は尾山台地区会館で行います。そこでテクストですが、ハンナ=アレントの『人間の条件』(ちくま学芸文庫)を予定しています。今回の宏究学舎は、まず受講生の「読む力」の育成に全力をはかろうと考え、僕自身によるまとめの講義をしっかり行い、受講生の発表も要約の作成に重点を置くつもりでいます。
受講希望者は、このHPのメールアドレスにご一報ください。難解なアレントをこの際完読してみたいかたならどなたでも参加できます。初講日まで半月ほどですが、多くの方々とアレントを読めたら幸いと存じます。受講費や会場などのご連絡は、後日、当HP上でお知らせいたします。
9月 17, 2007 0. 緊急のお知らせ | Permalink




