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2007年2月11日 (日)

雑感2007年2月

 いつのまにか時間は滑るようにして二〇〇七年も二月中旬になってしまいました。時はいつも人を追い越していきます。たまに、自らの時に感慨をもつことがあっても、時間はとどまることもなく、人びとの時間を「記憶」へと導いていきます。                        気がついてみれば、一九七八年春に北東北の農業高校に教師として赴いて以来、今年の四月を過ぎれば、教師をして三〇年目となります。一〇代後半の若者と約三〇年間もの間つき合ってきたのかという思いは、哀愁でセピア色に記憶され、その間さまざまな性質の若者とふれあい、多様な時間と立体的なモザイク模様の光の林を、ときにはか細い灯りを頼りに、あるときは暗闇のなかで逡巡しながらも過ぎてきたように思います。そうした出来事を思い起こせば、時間が必然的に装う寂莫が、わたしを囲繞してきます。     

 先日、わたしが関わっている新人会の大学生諸君が、パリ・オルセー美術館の日本での展覧会に際して、絵画のシンポジウムを開きました。大学で美学美術史を専攻している学生もいて、史料も充実していて、いい試みでした。わたしは数時間参加したのみですが、何かを自分自身で立ち上げてみることの楽しさと充実感は、学生諸君にとって貴重な心の糧となるように感じて、久しぶりに清涼な風を感じてきました。でも最近はなかなかこんな風を感じることはマレになりました。                                            ここ数年の大学生とつき合っていくなかで感じることは、偏差値の高い大学の学生であればあるほど、目標に向かって自己実現を遂げることへの熱意は強いものの、それがうまくいかなくなると、自己検証をすることなく、安易な被害者意識のなかに逃げ込むようになってきたということです。おそらく小中高の成績がいいことでちやほやされ、自分自身の内面性を踏み固め、またはふり返ることなく育ってきた結果、中折れしやすい体質になったのでしょう。あまりにも子供じみていて、そのくせ就職などが決まると一挙に中年オヤジに変貌をとげていく姿は滑稽でもあります。わたしとしては、そうした学生諸君の傍に座って一人酒杯を傾け彼らの話を聞き、自分の過ぎにし日々を思い出しつつ一笑するのみです。人間はいつまで経っても成長しない動物なのかもしれません。                         ところで、この春には宏究学舎を開講します。テーマは『戦争の記憶』です。今回は、わたしの講義が中心になります。4月から会場はとってありますので、参加希望の方はメール等をいただければ幸いです。4月第2週の土曜午後を初講日としたいと思っています。いつものように、たいしたことも書けなくてすみません。もともとこのHPは連絡用に立ち上げたものです。一昨年は、わたし自身の活動が停滞していて、思うようになりませんでした。2007年度は、少しは活動してみようかと考えています。

2月 11, 2007 |