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2001年8月 7日 (火)

【エッセイ】ギ~ラギラ、太陽が~

 お隣の朝鮮半島では、大洪水だっていうのに、日本列島は、知らないあいだに梅雨明けしていて、猛暑の〝夏〟がやってきた。ちなみにここ数日の東京の気温は、三十七、八度はあった。その間、ボクは、エアコンのない家にお引っ越し……。汗みどろになって、ふぅふぅ言いながら、この三日間で、どれだけの水分を採ったのだろうか。みんな汗になっちまって流れだし、汗腺はまさに全開状況。
 よ~く考えてみれば、これが人生で二十一回目の引っ越し。子供のころは転勤族だった父の仕事の関係で七回ほど。上京して大学生になって四回、その後なんだかんだと十回を数える。
 ところで引っ越しの回数といったら葛飾北斎に敵(かな)う者はいないだろう。 宝暦十(1760)年生まれの北斎は、嘉永二(1849)年に亡くなるまでの九十年近くの人生において、なんと九十三回も引っ越しした。まぁ、この人の場合は、とんでもないくらいに旺盛なバイタリティの持ち主で、描いた絵のジャンルは、風景画、花鳥画、人物画、歴史画、戯画となんでもかんでもで、しかも中国の南画から銅版画まで、とにかく取り入れられる画法は全部試し、おまけに、北斎、画狂人、可候、卍、不染居為一などなど、その号も三十回も変えている。
 いまは、「変革の人」で「変人」と呼ばれているんだとか、どこぞの総理大臣が超人気を博しているが、北斎は、同じ処にじっとしていられないほど、溢れんばかりの情熱、創作意欲にギラギラに燃えて いた。いつも「ここより他の場所」を求めて、自分を「変革」し、新鮮な境地、新世界を求めてやまなかったのだと思う。
 さてさて、この猛暑のなか、若者はすこぶる元気のようだ。子供のころ、なんたって楽しみだったのは夏休み。大学生になると 、長い夏休みがやってくる。暑い夏、この時期、若者はなにかをしたいと痛烈に思う。受験生だって、この夏、いままでの自分とは比べられないくらい伸びてやろうって時期なのだ。
 若者にとって、「変革」の時は、暑い夏の時期だ。猛暑のなかで、君の「自己変革」にむけてのバイタリティが燃えだす。それにギ~ラギ~ラと太陽が 、「ここより他の場所」を求めて、君のエネルギーを過熱させる。   

注)このエッセイは2001年8月に載せたものを再度寄稿しております。

8月 7, 2001 4. エッセイ |

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