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2001年8月21日 (火)

【エッセイ】夏の参議院選挙~選挙って、なに?

 締め切りに追われ、この原稿を書いている今日は、なんたってこの国の21世紀最初の国政選挙、参議院選挙の日なのである。受験生の諸君の多くは、もちろん選挙権を持っていない? ウ~ン……たまに長く受験生をしている人には20歳の大台にのっちゃた人もいるかもしれないが、ともかく、今日は選挙の日なのである。
 ところで今回の選挙の争点は、ズバリ「改革」。バブル崩壊後の経済的低迷、慢性的財政赤字、官僚主導の土建行政・開発行政などを、いまこそ「改革」しようというのが、各政党・各立候補者の訴え。ライオンハートの小泉の純ちゃん総理も、声を嗄らして「改革」を訴えている。
 思えば、大阪の池田市でおこった小学生殺傷事件や最近やたらに増えてきた幼児虐待殺人事件、外務省のヤリタイ放題使い込み事件など、気の滅入る事件が多くおこっているが、そんな気分を一新し、カラっと明るく、いまの厚い雲のおおわれたような閉塞感を打ち破りたい、それが人々の「改革」への期待感を高めているんだろう。
 それにしても、投票率を上げる意図なのか、視聴率を上げる意図なのか、テレビ局の選挙報道は、ここ数年でメチャメチャ、ショーアップされてきたね。かっては、選挙報道といえばNHKが独壇場で、まじめなそうなアナウンサーが、重々しく正確に選挙結果を伝えるって感じだったんだけど、日テレもTBSもフジもテレ朝も、芸能人を呼んだり、半ばタレント化した政治評論家や政治学者を呼んでのお祭り騒ぎ。しかも、テレビの画面では「当確」「当選」の感動シーンの大写し。まるでスポーツ観戦と同じ感じで「選挙観戦」(?)って状態。っていうか、なんか選挙が軽くなった。
 それに、政党のCMも、すごくなってきた。ベルトをぐーっと締めたり、さむいオヤジギャクあり、党首が張りぼてみたいなロボットに突っ込んだり、コスプレ風な白衣姿で現れたり、いったい誰に向かってコマーシャルしているんだろう。あのCMにどんな政治的メッセージがあるのかな……。なんか選挙が漫画っぽい。
 数年前、若者の投票率の低さに、若者の政治への無関心が問題視されたことがあったけど、その後、若者は選挙に行くようになったのだろうか。君たちにも聞きたいけど、君らは20歳になったら、投票しに行く?
 若者の感覚と「政治」のズレ。いつかドイツに行ったとき、ドイツの選挙戦の最中だったが、選挙カーはなかったし、名前の連呼も聞かなかった。町のそこここには支持者が集会を開き、そこで激しく議論をしている人々はいたが、おおむね町は静かだった。そしていうまでもなくドイツの投票率は高い。
 暑い夏の盛り、都心の盛り場で拡声器の音量いっぱいに候補者は声を張り上げ、喧噪は渦巻きのようにこだまする。テレビは、お祭り騒ぎで、一喜一憂を伝える。「痛みのともなう改革」。今年の流行語大賞って感じのこの言葉は、なにを示しているのか。考えると、選挙はすごく重要なんだ。でも、なんか違う感じだなぁ……。君たちは、この選挙の形をどう思う。さてさて、小言を言っても仕方がない。とりあえず、今日は選挙に行くしかないでしょう・・・。

注)このエッセイは2001年8月に載せたものを再度寄稿しております。

8月 21, 2001 4. エッセイ |

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